種族

種族


J.J.R Tolkien の指輪物語に出てくる種族は多様です。
人間 Man 、エルフ Elf 、ドワーフ Dwarf 、ホビット Hobbit 、ヴァラ、マイア、エント、オーク、トロル、ナズグル、などです。
ホビット Hobbit が、この物語の中心にいます。



人間 Man

 人間は上古から存在したエルフやドワーフと同じくその時代より存在しました。
エルフと異なり寿命に限りがあり、ドワーフより短命です。
 第一期の頃エルフと同盟を結んだ人々をエダイン Edain と呼んだのです。
このエダインが、アンドゥインの谷間に移った子孫は北国人と呼ばれ、
エルフと共に西方ヌメノールへ移った人々が
ドゥネダイン Dunedain 若しくはヌメノール人 Numenoreans と呼ばれたのです。
 東夷 Easterlings とは、東方に留まった人々が暗闇の下に暮らし、邪悪なものとなり、
手足が強く、目と髪が黒く、肌の浅黒い特徴がある、その人々を呼びます。
 褐色人 Dunlendings は、霧ふり山脈の西麓に住んでいます。
背が高く黒髪、肌の色が褐色だったためローハン国の人からそう呼ばれます。
 ヴァリグ Variags は、モルドールの南東ハンドの国に住む野蛮な民です。
東夷・褐色人・ヴァリグは、指輪戦争の際、サウロン軍に加勢したのです。
 ウォーゼ Woses (野人)は、ドルアダンの森に狩りをする種族として住んでいます。


エント Ents

 エントとは、樹木の牧者である巨人のことで、最も古い種族といわれています。
彼らは、半分人間、半分木です。
高さは4m以上にも達します。


ヴァラ

 唯一なる神エルが始めに作ったのがアイヌア Ainur (聖なる者達)です。
彼らは様々な力と、永遠の命を持ち、その中で強い力を持つ十五人をヴァラール Valar と呼びます。
世界の守護者です。


ホビット Hobbit

 ホビット Hobbit は、「小さい人」のことを指します。
養父であるビルボ・バキンズ Bilbo Bagginsが「一つの指輪」を
フロド・バキンズ Frodo Bagginsに財産と共に譲り渡す所から物語は始まります。

 ホビット Hobbit は、背丈がドワーフ Dwarf よりも小さいとされています。
60cmから120cm程度です。
髪は茶色の巻き毛、指は長く、足の裏が丈夫で毛が生えている為靴を履かないのが普通です。
丸い陽気な顔つきをしていて、やや小太りです。
一日6回も食事を取り、陽気な話し好きのホビット Hobbit です。
 住まいは総じて丘の斜面をうまく利用して、地面に穴を掘って、住居を作っています。
これは、丘の妖精の伝承に合致しています。
 寿命は、約100年位です。
他の種族との交流をそれほど持ちたがらず、ひっそりと暮らしています。
もし、人が森で彼らに近い所まで来ても、ホビット Hobbit の方が先に気づき、人にわからないように消え去ってしまいます。
余程の事がない限り人前には現れません。
 ホビット Hobbit は、三つの種族があり、ハーフット族 Harfoot 、ファロハイド族 Fallohides 、ストゥア族 Stoors です。
ハーフット族は数も多く、背が一番低く、肌と髪は栗色です。
ファロハイド族は背が高めですらっとしていて、冒険好きです。
ストゥア族は他の種族より体が大きめです。
川地に住むことを好み、魚を釣ったり、泳いだりということができます。


ドワーフ Dwarf

 ドワーフ Dwarf は、エルフや人間と同じに、上古から存在した種族とされています。
背丈は120cm~150cm位です。
力強く頑丈です。
限りある命ですが寿命は約250年とされています。
特に手による技は極めて素晴らしいものを持っています。
洞窟に生きているように、石に対しての技術は最高です。
地中深く掘る鉱夫でもあり、金属の細工師でもあり、石の彫刻家でもあるのです。


エルフ Elf

 エルフは中つ国で最初に生を受けた者です。
星々の女王ヴァルダ Varda が中つ国の天上に星を輝かせた瞬間に目覚めた者達です。
 彼らは地上のどの生き物よりも美しく、不死の命を持ちます。
老いることもなく、病にかかることもありません。
背丈は人間と同じ位ですが、精神も手足も強く、年をとっても衰えることもなく、逆に知恵と正義が増します。
 エルフが歩くと、いつも月光に似た光に包まれ、彼らの髪は紡いだ金糸、編んだ銀糸、磨いた黒玉の様で、
髪や目、絹の衣服や宝石で飾った手には星の光が煌めいています。
 話すこと、歌うこと、詩を作ることに秀でています。
地上の種族の中で最初に声に出して話をした者達であり、最初に歌った者達です。
 エルフ Elf 達は、遠い時代を遡る上古の代に、二つの主要な氏族に分かれたのです。
即ち西のエルフ族(エルダール Eidar )「星の民」と東のエルフ族(アヴァリ Avari )「気の進まない者達」です。
闇の森とロリアンのエルフ族の大半は、東のエルフ族に属します。
 西方の地はエルダマール Eldamar 「エルフの本国」と名付けられています。
ヴゥンヤール Vanyar 族、ノルドール Noldor 族、テレリ Teleri族の三つの家系に分類できます。


マイア(複数でマイヤール)

 アイヌア Ainur の中でヴァラール Valar より地位の低い者がマイヤール Maiar です。
様々な精霊あるいは魔法使いたる彼らはヴァラールの召使いです。
 古森の主人トム・ボンバルディル Tom Bombadil 、川の娘ゴールドベリ Goldberry
鳥や獣達の主である茶色のラダガストベリ Radagast 、優れた力量と英知を持った白のサルマン Saruman
そして灰色のガンダルフ Gandalf がマイアです。


オーク Orcs

 醜悪な容姿を持ち、残酷で性悪の生き物です。
オークの中に流れる血は黒く冷たく、他者が苦しむことを喜ぶという残忍な性質を持っています。
 ゴブリン Goblins は、エルフを捕らえて最初に作り出された奴隷です。
スナガ Snaga は、黒の言葉で「奴隷」の意味を持ちます。
自ら蔑むオークです。
 半オーク Half-Orcs は、サルマン Saruman に作られた種族で、
褐色人とウルク=ハイ Uruk-hai との交配で生まれた者達です。
 狼乗り Wolf-riders は、ワーグ Wargs と呼ばれる狼に乗って戦ったオークなので、そう呼ばれます。
ウルク=ハイは、冥王サウロン Sauron 、及びサルマンによって、オークと人間との交配で作られたとされています。


トロル Trolls

 巨体の肉食種族です。
邪悪で非情、獰猛な生物です。
メルコール Melkor が作ったと言われています。
背丈は人間の二倍以上、皮膚は鎧の様に硬い鱗で覆われています。
岩よりも硬く、力が強いです。
光に弱く、光に当たると石化します。


ナズグル Nazgul

 サウロンが作った指輪のうち、九つの指輪を与えられたのが九人のナズグルです。
もともとは人間の王でしたが、指輪を与えられてから不死となり、姿は薄れ、幽鬼と化し、悪行を犯す存在です。


塚人 Barrow-Wights

 ブランディワイン川の東にある人間の王の古墳である塚山丘陵、ここに幽鬼が棲みついて、王の骨に命を吹き込む存在です。



指輪物語  指輪


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